いちごいちえ

山のこと。思う。感じる。

初めてのおつかい

 

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先日、初めてアメリカのwebサイトからお買い物をしました。

そして昨日、無事に商品が到着。

 

それがこちら。

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「Yogi's Pacific Crest Trail Handbook」

PCTを歩く人は必ずと言っていいほど読んでいる貴重な情報源。

 

この他にも、地図、現地の情報リスト。

送料の高さにビックリしました。

でも無事に届いて一安心。

 

英語を勉強中とは言えどまだまだ分からないので、Google翻訳と行ったり来たりして、少しづつ読み進めてます。

 

今日は会社でポツンと、ビザの申請書作成。

このオフィスで仕事をするのもあと少し。

そう思うと少しさみしい。

 

正直まだまだ実感はないけれど、毎日そわそわ、そわそわ、心は少し緊張気味。

a little bit of English の私に目前の関門を突破できるか。

未知の世界に進むような少しの不安と、希望と、期待が入り混じる。

一歩


筆不精だなぁとつくづく思う。

東山三十六峰のことも下書きしたまま。
別に良いように書こうとも思ってはないんだけど、
なかなか書きたい言葉が出てこない。
そちらは近々、完結予定です☺︎


目先のことでいっぱいいっぱい。
不器用な思いを抱えたまま、
あっという間に2月ももう終わり。


遡って1月の中頃。
あの日、疲れなのか風邪なのか、起きれない身体にモヤモヤしながら、布団の中でいろんな思いを巡らせていた。

何も知らないのに、どうしてそこに行きたいと思ったんだろう。
「TRAILS」のWEBサイトで見つけたその名前に釘付けになった。
そこに映し出された写真の中の先駆者達の豊かな表情に見惚れた。
私も経験してみたいと思った。


「Pacific Crest Trail」
そこはアメリカの西海岸。
メキシコの国境付近から北上し、シエラネバダヨセミテなどを通り、カナダへと続く約4260km。
踏破するには約5ヶ月もかかる。

簡単に行ける規模の話じゃないけど、思い立ったタイミングと、その途方もないスケール感が、今の自分にはちょうどよく思えた。ちょうどいいだなんて、想像もつかないのに不思議なもんだ。
大好きな山を歩き、心をときめかせ、時に孤独に泣き、自然の厳しさに怯え、壮大な風景に感動し、人との出会いに喜び、何もわからない場所で、自分という存在を心の赴くままに揺さぶりたい。

 

そう思った矢先、東京で行われたロングトレイルのイベント。

このタイミングで目にしたとなると行くしかない。

思い立って動いたら、

会場でありがたいご縁があり、
漠然とした空想は一気に現実を帯びてきた。

ありがとうございます。

 

つい先日、PCTAからParmit が届きました。
ひとつ目の関門クリア。

 

次はVISA。

 

もし無事に取れたら、半年間アメリカに行きます。
(取れなかった時のことは…とりあえず、置いとこう)

東山三十六峰マウンテンマラソン2016(前編)

2016年12月11日「東山三十六峰マウンテンマラソン」に参加した。

 

このレースは、京都の宝ヶ池をスタートし、比叡山の中腹から京都東山を南に縦断し伏見稲荷大社がゴールとなる、全長30kmのトレランレースだ。

この大会は今年で23回目と長い歴史があるそうで、また、大変人気があり、エントリーが開始されると1日もしないうちに定員に達するほどだという。

実際、エントリー直後に申し込んだため無事に出場できたものの、お昼を過ぎるとすでに申込は締め切られていた。

 

 「東山三十六峰マウンテンマラソン」(以下、東山)は私にとって出場3回目のレースとなる。

 


事の始まりは、今年8月28日。

私が初めて出場した山岳競争の大会「かっとび伊吹」の打ち上げのこと。

 

「かっとび伊吹」は、マラソンすら走ったことがない私が初めて参加したレース。(トレラン…ではなく、山岳マラソンというべきか)麓から伊吹山頂上までの10kmを、ただひたすら走って山を登るというレースである。

ひたすら走って上るだけのレースに、未経験の私がよくエントリーしたなと、後に何度か友達から言われたけれど、ひざ痛を度々起こしていた私の体には、登りのみ・下りがないという点で、割と安心して出場できたのだった。

 

 

話は戻り、打ち上げに居合わせたラン仲間はみな、東山に出るムードになり、私も内容をよく知らないまま(しいていえば、打上げ会場の家主さんがスタッフということだけ。笑)なんだか楽しそうだなと、お酒も入っていたし、走り終えた直後で自信を持てて気持ち良かったんだろうな。あまり迷いなく、「うん走ってみる〜!」と軽い返答をしたような気がする。

 

そのまま日は流れ、9月初めののエントリー日。

開始直後に勢いそのもので参加申込したのだった。

 

 出場を決めたものの、この時点で本格的なトレランレースの出場経験はなし。

今回の東山の手前に、10月に行われた花背トレイルラン(25km)も控えていた。

 

それから、立て続けてのレースに向けて、地道に練習を開始。

スマホアプリStravaの存在を教えてもらい、フォローさせていただいているラン仲間の日々のトレーニングにも刺激を受け、平日は会社からの帰り道10kmを走って帰ってみたり、電車に乗り京都へ大文字山を走りに行ったりした。

レース直前には、坂本から比叡山を登り、東山トレイルを27km走ったこともあった。

 

私なりのトレーニングの成果があったのか、10月に開催された花背では、4時間9分と、初めてだったものの年代別2位に表彰してもらえたので自信にもなった。

 

そして、11月には京都の北山を26kmほど走ったり(前回ブログ参照)、ソロで六甲山を芦屋から有馬温泉に走り抜けたり、軽いスタンスで「山を走る」ようになっていった。

 

その余裕からか、東山の30kmは、花背と比べると距離としては5km長いものの、標高差・累積標高は低い(東山は累積標高差1100m・標高差389m、花背は累積標高差1400m・標高差470m)ので、比較的優しいような印象を受けた。

 

とはいえ、未だに走ったことのない距離。まずは完走を目指そう。レースを完走できたら過去最長距離を更新できると思い、あえて高い目標は持たず、楽しもうと思った。



そして、大会の朝。

 

少し雲が多いが青空が覗き、晴れを前提とした気持ちのいい天気だった。
出町柳から叡山電鉄に乗り換え、二両編成のワンマンカーに乗り込んだ。
線路脇には住宅が建ち並び、その間を電車はゆっくりと走る。駅は無人で改札もなく、乗っているだけでのどかな空気が流れていた。こんなのんびりした風景が好きだ。

そういえば、高校時代は似たようなワンマン列車に揺られ、片道1時間かけて通学していた。昔を思い出して、少しのあいだ懐かしい気持ちにも浸れた。

午前7時40分、叡山電鉄「宝ヶ池」駅を降りた。
橋を渡り、10分ほど歩くと宝ヶ池公園のいこいの広場に到着。受付場所には沢山の人が集まっていたのですぐわかった。

8時を過ぎると、少しずつラン仲間の方々が集まり出し、ワクワクする気持ちはどんどん増していく。2度目だからか全く緊張感はなかった。というかリラックスしすぎ?

9時になり、第一陣のスタートを見送った。私を除いたランメンバーは皆さん第一陣で走る駿足の男性ばかり。そして9時5分に第二陣がスタートし、あっという間に9時10分。いよいよ初めて走る30kmが始まった。

初雪トレイル〈峰床山・皆子山・ナッチョ〉

2016年、勤労感謝の日
京都北山に冬がやってきた。

 

出町柳駅に着くと近藤さんと二宮さんと合流した。
この日は3人で、京都府第2位の峰床山京都府最高峰の皆子山、そしてナッチョを登り鞍馬山を経て鞍馬寺に下る予定だ。

 

7:45分発の超満員のバスに揺られ1時間。
いつの間にかフロントガラスではワイパーが左右に動いていた。

前日のラジオの天気予報は「明日は一気に冷え込むでしょう」と流れていた。
ネットの天気予報を見ると最高気温は4℃。天気は曇り。
雨が降るなんて言ってなかったのに…嘘つきの天気予報にがっかりしつつも、買ってから一度も来てないレインウェアを着れると思うと、少し嬉しかった。

私たちは坊村でバスを降りた。パラパラと弱い雨が降っていた。急いで公衆トイレの軒下に移動して上下のレインウェアを着込む。

用意ができると、近藤さんがカメラで出発前に集合写真を撮ってくださった。

 

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ブルーのウェアの近藤さんと、偶然にもパープルでお揃いのOMMのレインウェアの二宮さんと私。上下色合いが一緒のOMM兄弟。足は3人アルトラ兄弟。なんだかこの一体感が嬉しい。

 

準備が整いいざ出発。

安曇川にかかる橋を渡り、右に曲がると小さな神社を見つけた。鳥居には水神社と書いてある。入口に湧き水が流れ出ていたので一口飲んで見た。思ったよりも冷たくない口当たりの柔らかい水だった。

 

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神社を過ぎると、すぐ左手にある登山口へ。水神社の由来だろうか、登山道の横に沢が流れていた。少し進み木の階段を登るとあっという間に安曇川と国道を見渡せる尾根に出た。

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しっとりと濡れた落ち葉を踏みしめながら北山らしい杉林の中を登っていく。
ふと見上げると、雨の粒が大きくなっている気がした。雨はいつの間にか雪に変わっていた。まさか初雪の日を山で過ごせるなんて!季節の訪れを山で過ごせるとは嬉しく思えた。

雪を写真に収めようと思っても写らないのに、ついついシャッターを押してしまう。

そして尾根を登り続け、最初のピーク鎌倉山に着いた。

 

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ちょうど三脚にもってこいの切り株を発見。

 

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道標を見て八丁平方面へと進む。尾根は広く目印も少なくわかりにくい所もあった。

 

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尾根を下っているといきなり千年杉と書かれた巨大な杉の木が現れた。カメラに収まりきれないほど立派な木だった。

 

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あっという間にオグロ坂峠に着く。

そこは鎌倉山と久多と八丁平を結ぶ三叉路になっているが、福井県の小浜と京都を結ぶ「鯖街道」の合流地点である事を教えてもらった。鯖街道は、京都から小浜までの最短ルートで、今は国道が通っているが、昔はこの山道が街道として使われていたそうだ。

近くにお地蔵さんがいらしたので手を合わせた。

 

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オグロ坂峠を後にし、峰床山へと登って行く。

この道は10月に出場した花背トレイルランのコースだったのに、土地勘を思い出せず、頂上の折り返しの風景を見てようやくどこにいるのかがわかった。レースでは必死に走ってたので余裕がなかったようだ。またゆったりと訪れることができて嬉しかった。

 

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床山の頂上は風が強く手が悴むような寒さだった。

エネルギー補給にと持ってきたスニッカーズをかじった。寒さでカッチコチに固まって、こんなに硬いチョコレート食べた事ない!と思うほど食べるのが一苦労だった。

 

床山を後に軽快に坂道を下り、八丁平へと続く濡れて滑りやすい木階段を慎重に下っていく。ここから先は初めて訪れる場所。

細く背の高い植物がポツポツと現れだし、湿地の雰囲気を感じ始める。

 

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谷を下りきると広々とした湿地帯に出た。木の幹には鮮やかな色をした苔が覆っている。
「鹿だ!」という近藤さんの言葉の指す方に目を向けると、数頭の鹿がフワフワの白いお尻をふりふりしながら去って行った。

 

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滑りやすい木道をゆっくり進む。まるで別世界のような広い湿原。こんな所が京都にあったなんて。透明な小川が流れ、緑から茶色へと移り変わるシダが茂り、一面に広がるグラデーションの景色が美しかった。透き通った小川に沈んだ朽ちた木もオブジェのよう。景色を写真に撮りたかったのに、ここで寒さに耐えられず手持ちのiPhoneの電源が落ちてしまった。

 

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湿原を抜けると、花背のレースルートに再び合流した。

 コースを逆走する形でニノ谷を下り、脇の登山道にそれて芦火谷川に沿ってさらに下って行くと尾越の廃村に出た。


川にはボロボロに錆びた車が崩れ落ちるように廃棄されていて、家屋には人気がない。

しかし家々は一見状態が良く、人が住んでいてもおかしくない様な光景だった。

雨はいつの間にか上がっていて、晩秋の傾いた日差しに照らされ、なんとなくセピア色に染まったような風景。淋しいような、でもどこか温かい不思議な雰囲気を醸し出していた。

 

細い峠道をいくつも越えないと辿り着けない奥地にあるこの集落は、交通の便も悪く、冬は雪深く、生活は大変だっただろうけど、村を捨てるのは住む人たちにとって辛い決断だった話ではないかと、少し切なくなった。

複雑な気持ちを残しつつ、尾越を後にし峠道を上って行く。使われなくなったアスファルトの道は苔が生えているのかツルツルと滑って歩きにくかった。

 

峠道を上り、皆子山を目指してまた山へと入っていく。

ルートがないため地図を見ながら尾根を進むのかと思いきや、最近つけられたであろう真新しいピンクのテープで丁寧にマーキングされていた。

ビビットなピンクは山中ではよく目立っていた。テープと地図とを頼りに進む二宮さんの後に続く。

 

標高が高くなるとまた雪が舞い始め、風も強くなってきた。北の山の方を見ると、空で勢いよく雪が舞っていた。

 

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いくつかの尾根を巻き、皆子山への分岐を行く。

木々を縫うように進むと、風の通り道のように左右に開けた場所に出た。霧が立ち込める中優しく陽が差し込み、舞い降りる雪が浮かび上がった。その景色がとても美しく、しばらく立ち止まって眺めていた。

 

まだまだ山頂への道は続き、頂上だと思ったらまだ上があり、なかなかたどり着かない。だんだんと太腿の裏が張ってきて思う様に足が前に出ない。

とても遠く感じた頂上に辿り着いた時はとても嬉しかった。みんなでガッツポーズ!

 

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まともにご飯も食べずに走りっぱなしだったので、立ったまま各々持ってきたおにぎりやパンを頬張る。立ち止まると寒くてじっとしていられない。

食べ終わるとすぐに出発し、分岐まで戻り南へと進む。ここからはテープもなく道なき道を進む。

 

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ちゃんと整備されているわけではないけれど、この辺の道は丹波薫さんのパートナーの福田さんという方が作られた「福田ルート」であると、近藤さんが教えてくださった。

 

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一面落ち葉で覆われた尾根は走るのが気持ちよくて、晴れてたら寝転がりたいほどふかふかしていた。

 

下り続けた先は道が左に折れており、その下に建物の屋根が見えた。北山修道院だ。
この建物は、村上春樹の「ノルウェイの森」の施設のモデルになったのだそうだ。

登山口はこの建物の横にあるらしいのに、道は途中で消えていて降り方がわからない。しかたなく少し戻り、脇の傾斜を滑り落ちない様に木の枝に掴まりながら下ってなんとか道路に出た。下った後に登山口を見つけたけど、無事に下りられたので、よしとしましょ。

 

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京都の1位、2位の山は道のり長く、予定よりも時間がかかってしまい、ここで作戦会議。と、言いつつ地図を持っていない私は近藤さんと二宮さんの判断に従うのみ…。
とりあえずナッチョを目指して予定していたルートを進むことになった。工事が途中で頓挫したような造られて放置されている道路を進み、脇の登山道へと入る。
入口は一見見落としがちだけど、思い当たる所は一つだけ。とりあえず入ってみると当たっていた。

針葉樹林の山道を登っていくと、道は狭くなり、沢の脇をトラバースするようにロープが設置されていた。ロープがなければ少々危なっかしい所もある。落ち葉が深く積もり、足場も悪い。慎重に進んだ。

峠の上に出ると、目の前には琵琶湖が広がっていた。
そのまままっすぐ琵琶湖に向かって行きたところだが道を右に折れる。
登って行くと、林業のものなのか鹿よけなのか進む道に沿ってネットが張られている。頂上近くまでネットは続いていた。
本日のラスボス・ナッチョもまた簡単には登らせてくれず、登りきったと思ったらまだ上がある。

疲れてきて集中力はなくなっても、ただ前に前に進む。まとまりのない思考を巡らせながらナッチョ(天ヶ森)の山頂に到着。

 

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頂上の東には琵琶湖が見え、対岸の向こうに近江富士も見えた。いい天気だ。
朝から打たれた雨や雪が嘘のようだった。地面も濡れていない。人の足で巡った距離で、こんなにも天気が違うことに驚いた。

そして、途方もないと思ってた距離を自分も行けるようになってた事が嬉しかった。

計画では鞍馬山まで向かう予定がここでタイムアップとなり下山する。

ナッチョの頂上を後にし、百井峠との分岐を小出石方面へと下って行く。

 

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傾斜がきつい下山道は落ち葉で滑りそうだ。道幅が狭く谷側がすっぽり落ちている所もあり、足に神経を走らせた。

 

標高が下がり葉の落ちた広葉樹の森は針葉樹の森に変わった。
葉っぱで隠された森の中は薄暗く、時折木々の間から西日が差し込み、オレンジの光と影のコントラストが美しい。1日が終わって行く達成感を静かに感じながら下って行く。

沢が現れるとゴールはもうすぐ。何度か渡渉していくとうっすらと車道が見えた。車道までまっすぐ伸びる気持ちのいいトレイルの道を走り抜けた。

登山口から10分ほど車道を走ったところにあるバス停で、この日のゴールとなった。

 

経験豊富な先輩方ありがとうございました。

 

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距離は約26km。

1日で「大原の里10名山」のうち3座を登頂できた。20km台が特別な距離ではなくなってきたことは少し自信になってきた。

 

そして、山と山とを繋ぐ鯖街道や八丁平、尾越…

いくつもの山の間には昔から続いてきた人の生活があり、いつしか忘れ去られつつある日本の良さが隠れている魅力たくさんのルート。

いつか、この続きを走り鞍馬まで行ってみたいな。

 

Photo by 近藤淳也さん

京都洛北、花背

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いよいよ今度の日曜日は「第3回 山村都市交流の森 花背トレイルラン」です。

初めての25kmのトレランレース。


去る今年8月。偶然のお誘いで、開催場所の花背に初めて連れて行ってもらいました。
そこで見た「松上げ」というお祭り。


村の男性達が河原にに立てられた約千本の松明に火を灯していき、中央に立てられた高さ20mの大傘に向けて松明を振り回して、投げ上げ火をつける精霊送りの儀式。初めて見る不思議なお祭りでした。


昔からの伝統と自然が息づく地を走るレース。楽しみです。

トレランの栄養補給

今まで登山をする時は、アミノバイタルを飲んで、疲れてきたらゼリータイプの赤いアミノバイタルをチャージしてました。

 

で、いよいよ来週は本格的なトレランのレースデビュー。登ったり下ったり25km。

「山村都市交流の森 花背トレイルラン」に出ます。

 

それに向けてジェルを買ってみました。

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お店の人に色々教えてもらいながら。

お腹が空いた時じゃなくって、パフォーマンスが落ち始めたのを意識しながら飲むらしい。

レースだもんね。今までの意識とまた違う。

色々試して、飲むタイミングとか考えて勉強していこう。

デビュー戦「夢高原かっとび伊吹」

初めて山を走る大会に出場したのは、8月末に開催された『夢高原かっとび伊吹』。
制限時間2時間半、麓の伊吹薬草の里から伊吹山頂上までの10kmを駆け上る大会。

 

伊吹山には3月の雪山と、夏の2度ほど登ったことがある。

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↑初めて登った2014年3月の伊吹山

 

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↑2014年7月の伊吹山山頂

 

三宮神社から登る一般的な登山のコースタイムは3時間50分。それをさらに手前の薬草の里から走って制限時間2時間半。あまりにも経験したことのないレベルに、勢いでエントリーしたものの、最初は尻込みしてしまった。

本格的な 事前練習は、大文字山10kmと白山日帰りピストンのみ。日常的なランニングは仕事の多忙を言い訳に取り入れていなかった。

 

当日はあいにくの雨予報。でも本格的な雨はさほど降らず、霧雨程度に収まり気温も上がらず走りやすかった。

スタートゲートは幸い前方をキープできた。スタートの合図と同時に猛スピードで走り抜ける人達。渋滞には巻き込まれずいいペースでスタートできたけど、当然ながら次々と追い越され、仲間も早々に見えなくなり、孤独な戦いが始まった。

登山口から1合目まで続く林道は延々と続き、陽が差し込まない環境は肌寒く、タンクトップから出た肩は冷たく、脳みそがビリビリした(謎の現象)。

登山道もそうだけど、延々と長い伊吹山の登山口から1合目までの区間は正直苦手だ。

なんとかほぼ歩かずに一合目に着き、目の前に長く伸びる行列を見上げながら、ボランティアスタッフの方達の声援に背中を押され立ち止まることなく2合目を目指す。

ほとんどの人が歩いて登ってる中、なんとなく「走って登れそう」と思いゆっくりでも走ってみた。しかしすぐに息が上がり、足が上がらず歩いてしまった。ペースを崩したばかりに歩く速度も落ち、結局後方の人に追い越され元の位置に逆戻り。無理して登るのは効率が悪いとわかり、上りは早いペースの歩き、緩やかになったら走ると決め黙々と進んだ。

3合目に差し掛かると通常の登山道の逆に迂回するコース構成になっていたが、前もって調べてたので気持ちも動じず。

その先に電光掲示板が設置されており、現時点の通過タイムと距離が表示されていた。 

この時点で7kmも走ってきた事がわかり、なぜか余裕に思えてきた。まだ3合目なのに。

ペースは落ちず、4合目に着くとガスが晴れ琵琶湖が見えて、思わず声を上げてしまった。一瞬だったけど、光に照らされた琵琶湖を見られたのがとても幸運に思えた。きれいだった。

ぐるっと迂回したコースを過ぎ、5合目からは通常の登山道。道も狭くまり時々渋滞になったけど、その分ペースもゆっくりになり体力も維持できて立ち止まらずに歩いた。登山道はぬかるみ、粘土質の土に時々足を取られたりしたけどそんなのも気にならなかった。

8合目あたりの岩場の影響でとうとう列が進まず立ち止まるようになった。そんな時、誰も行こうとしない脇の岩場を見つけた。追い越すのに危険はなさそうだったので、サッと列から離れ巻き返しを図った。

登山からトレランに入ったからか、私は岩場が得意なんだなと改めて思った。好きだし。

 時計を見たら1時間後半を指していた。一か八か2時間を切れるんじゃないかと思い、ラストスパートをかけた。何人か追い越し、見覚えのある9合目の緩やかな階段が見えた。頂上が近づき前方が開けたけど、ガスが濃く、前方がよく見えなかった。ぬかるんだ道を用心しながら走り、ゴールゲートが見え、1人追い越し、ゴールが近づくとアナウンスでゼッケン番号を読み上げられ、力を振り絞ってゴールした。ゴールしてすぐ先にゴールしていた先輩たち寒い雨の中望遠レンズのカメラを構えた友人が駆け寄ってくれて、あっという間に初めてのレースは終わった。

 

タイムは1時間59分。

 

速くもないかもしれないけど、2時間を切れたことがすごく嬉しかった。

思ったより走れるもんなんだな!と自信にもなった。レースに初めて出て、応援してくれる人の存在の大きさを感じた。応援がすごく嬉しかった。

 

こういう感動がまた、しんどくてもトレランに惹きつけられる理由なのかな。